No.158
静止した寸法だけでは、
収まりきらない違和感があります。
腕や肩を基準に合わせれば、
腰や脚に余りが出る。
全体を細く整えると、
動いた瞬間にシワが立つ。
それは、体型の問題ではありません。
動作に伴う負荷を、
服がどう受け止めるかという問題です。
日常の所作の中で、
どこに力がかかり、
どこが引かれ、
どこが戻ろうとするのか。
私たちは、
着た瞬間の見た目よりも、
動いたあとの状態を確認します。
今回は、生地の選択から見直しました。
軽さよりも、戻りと張りを重視し、
構築的に形が立ち上がる素材を選んでいます。
抑え込むのではなく、
逃がす。
細く見せるのではなく、
崩れないように支える。
仕立ては、
体を変えるためのものではありません。
その人の動きに、
服の側が応えるための仕事です。

