No.157
はじめての一着を、仕立てるという選択|オーダースーツ事例
ホームページをご覧になり、お電話でご予約をいただきました。
スーツを仕立てたい、というご相談でした。
店に入られた瞬間、背筋の伸びた立ち姿が印象に残っています。
日頃から武道に取り組まれているそうで、動きや所作のひとつひとつがとても丁寧でした。
理想のイメージ写真を持参され、
タイトなシルエットで三つ揃えにしたいこと、
シャツはブラックにすること。
装いの方向性は最初からはっきりと決まっていました。
既製服を探すのではなく、仕立てるという選択。
身体の線に沿って、少しずつ整えていく時間が続きます。
選ばれたのは、光沢をたたえたシルバーグレーの生地。
光の当たり方によって陰影が生まれ、立ち姿を静かに引き立てます。
ごまかしのきかない素材だからこそ、仕立ての線やバランスがそのまま表情になる一着です。
裏地には赤のペイズリー。
表からは見えない部分に、さりげない遊び心を添えました。
袖を通し、鏡の前に立ったとき、
その装いが自然と身体に馴染んでいく様子が伝わってきます。
特別な日のためだけではなく、これから先の日常にも寄り添う一着として。
人生の節目に選ばれる装いだからこそ、安心して長く袖を通していただける仕立てを、これからも丁寧につくり続けていきます。
※掲載はご本人のご了承をいただいたお客様のみご紹介しています。

