癒しのオーダースーツ屋 CANPANELLA JAPAN

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No.145

―ミルクと砂糖とシアサッカーの関係―

まるで夏休みの自由研究のようなテーマではございますが
中々面白いのでお話させ下さい。

シアサッカーはインドで生まれました。
年間を通して湿度が高く、猛暑が続く地域では、涼しくて通気性のある衣服が必要だったのです。

古くから極細綿織物の大国であったインドは手織りの技術が発達しており、
織り糸の繊細なテンションコントロールが可能でした。
そこで、タテ糸のテンションを変え
表面に凹凸のあるシアサッカーを生みだしました。

この織りは肌に張り付かず、風が通るため清涼感があるという特徴から
日常着や宗教衣装としても好まれました。

生地は「shir o shekar」と呼ばれペルシャ語で
「ミルクと砂糖」を意味します。

ミルクの滑らかさ=テンションをかけたフラットな部分
砂糖=テンションを緩めた縮れた部分
と見たようです。

シアサッカーの発展したムガル帝国では公用語にペルシャ語を採用していました。当時のインドでは洗練されたものや上質なものはペルシャ語で表現されることが多かったといいます。そこで、この高い技術で出来上がった生地の凹凸な質感を「shir o shekar」というような誌的な比喩がふさわしかったようです。

面白いですよね。
インドでたくさん収穫されていた綿花が綿織物を発展させ
そこからシアサッカーが生まれ
高い技術で織られた素晴らしい生地だから
ペルシャ語で抒情的に表現したというわけですね。

その後の歴史も少しみてみますと

◎18世紀から19世紀になると
インドがイギリスの植民地となり製造が効率化され量産が可能になりました。実用性の高さもあり作業着や制服として普及し始めました。

◎1909年には
老舗の紳士服ブランド ハスペル社が世界初シアサッカーを使った「洗えるスーツ」を発表したというのです。面白いエピソードがありますので後からお話するとして先に歴史をみてまいりましょう。

◎1920~30年代になりますと
プリンストンやイェールなどのアメリカ東海岸の名門大学で学生たちがシアサッカージャケットをカジュアルに羽織ったり、ブルックスブラザーズが正式に商品化したりすることで上流階級に浸透していきました。

◎1958年 マイルス・デイビスがライブでシアサッカージャケットを着用。
◎1962年 映画『アラバマ物語』でグレゴリー・ペック演じるアティカス・フィンチがシアサッカースーツを着用
著名人が着用することにより益々広がりを見せます。

◎1996年には
アメリカ上院で「Seersucker Thursday」(シアサッカー木曜日)という習慣が始まり、夏期間だけ議員がシアサッカーを着用するイベントとして続いています。

現在では、ダークカラーやストレッチ素材なども開発され、
カジュアルだけでなくビジネスにも広がりを見せています。

最近、35度越えの日が続いているからこそ、
“涼しく、しかもきちんと見える”という矛盾を優雅に解決できる素材として
お仕立ての希望が多いのかもしれませんね。

さてさて、世界で初めてシアサッカー地をスーツに用いたハスペル社のエピソードをお話させてください。

創業者のジョセフ・ハスペルはシアサッカーの魅力をアピールするために
自らシアサッカースーツのままフロリダ州ボカラトンの海に飛び込み、
その後、スーツを乾かし夜のディナーで同じスーツを着用したそうです。

快適さとお手入れの手軽さを印象付けるためのパフォーマンスだったそうですが
「おもしろい!」
「中々の行動力だな。」と感心してしまいました。
新しい価値観を広めるためには思い切った方法が必要な時もありますよね。

ついつい長くなってしまいましたが
生地って本当に面白い。

毎日どんな生地と出会い
どんな洋服になるのか
わくわくするTAROO.なのでございます。

シアサッカーが気になられた方はお気軽にご相談ください。
お仕立ては今ですと9月初旬ですが
おそらく、まだまだ暑いはず!

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